2026/9/24

イベントレポート

Life Is Dramatic キックオフミーティングレポート|9月24日、東京大学先端研にて開催

がんを経験した人が、治療後も残る不安や心身の変化をアートで表現し、
言葉で語り、誰かと分かち合うプロジェクト「Life Is Dramatic」。

私たち実行委員会は9月24日、熊谷晋一郎先生と藤森麻衣子先生をゲストに迎え、
東京大学先端科学技術研究センターの当事者研究分野セミナー室で、
キックオフミーティングを開催しました。

冒頭では、実行委員の宮路天平がプロジェクトの背景と、今後の取り組みについて紹介しました。

「Life Is Dramatic」は、自身も乳がんを経験した故・佐々木佳子先生が取り組んでいたプロジェクトです。

病によって日常が大きく変わる経験や、未来への思いを残した佐々木先生。
その思いを引き継ぎ、2年前に中断した研究を当事者と専門家が共に取り組む活動として再スタートします。
目指すのは、言葉にしにくい経験やモヤモヤした気持ちをアートで表現し、作品を介して語り合うことです。
自分の経験を振り返り、人生の一部として整理していく過程を通じて、主体性や生きる力につなげていきます。

会場では、乳がんサバイバーのもこもこさんが検査の痛みを描いた
『白旗をあげた日』や、手術後の身体を表現した『アシメトリー』を紹介。
作品を見ながら対話し、経験や感情を分かち合う取り組みについて説明しました。

Life Is Dramaticのプログラムは、講演・ワークショップ、約1ヶ月の制作期間、作品発表会・語り合いの3段階で進めます。
参加前後の調査も行い、表現や対話を通じて生まれる変化を確かめながら、活動を育てていきます。

オンラインで登壇した熊谷晋一郎先生は、自分の経験を仲間と共に研究する「当事者研究」について説明。
「研究される対象」であった当事者が、自ら「研究者」となり、経験から見つけた「技」や知識が「精神医学の教科書を塗り替えつつある」と語りました。
「教育訓練専門家」と「経験専門家」が対等に協働することの大切さにも触れ、活動を進める上での姿勢を次のように伝えてくださいました。

「研究よりも、まずは自分の人生が最優先。
研究を最優先にするというよりは自分の人生を最優先にして、その人生を最優先にする中で研究が自然に立ち上がっていくというのが当事者研究で大事にしている順序です」

自分の人生や健康、日々の豊かさを大切にしながら、無理のないペースで進める。
この言葉を私たちもこれからの活動の土台として大切にしていきたいと思います。

国立がん研究センターの藤森麻衣子先生は、がんと共にその人らしく暮らしていく「がんサバイバーシップ」の課題を紹介。
再発への不安などの「気持ちのつらさ」や、同じ経験をした人同士が支え合うピアサポートについて、当事者と共に支援をつくり、
その知見を社会に還元する意義を語ってくださいました。

実行委員で自身もがんサバイバーであるMC BOOからは、11月から始まるワークショップの構想を紹介しました。
活版印刷、ラップ、DJ、写真、絵画、料理など、さまざまな表現を通じて自分の経験や思いに触れていきます。

つくった作品を飾る、家族と料理を食べる、自分の言葉を音楽にのせる。
そうした身近な表現から生まれる会話や気づきを、
参加者のみなさんと分かち合いながら、一人ひとりのペースを大切にこれから活動を進めていきます。

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